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大学で学ぶということ(日本経済新聞社主催シンポジウムに行ってきました)

明けましておめでとうございます。

 サムライズ株式会社は、スカウト型の人材紹介会社で、公募では採用しにくい即戦力のエンジニアを企業様に紹介しています。例えるならば、我々は高度専門病院です。病気になれば一先ず総合病院を受診します。総合病院は人材に業界に例えればリクルートなどの大手です。一方、我々は、大手に出来ない特定の分野に特化し、より高度な企業の経営課題を解決する為の人材紹介を行っています。

 企業にとって、エンジニアの採用の成否は数年後の企業力を左右するものと考えています。事実、優秀なエンジニアを継続的に採用できている会社は安定した成長を遂げており、一方で、採用すら出来ていない会社は淘汰されています。間違いなく、「人材」は会社の将来を担う生命線であり、最も重点的に投資しなければいけない分野の一つです。

 タイトルにある通り、1月初旬に日本経済新聞社主催のシンポジウム「大学で学ぶということ」に参加してきました。基調講演はユーグレナの出雲氏。その後、東工大の池上彰氏、新潟県立大学学長の猪口氏、大学マネジメント協会会長の本間氏によるパネルディスカッションが行われ、大学の問題点や解決策について議論しました。IT業界などでは高卒、専門学校卒の方々も珍しくありませんが、機械・電気・電子・半導体・素材の分野では学士、修士がほとんどです。最近では修士がメインで学士も少なく、就職活動戦線では「修士」が最も有利と言われております。当然、優秀と言われているエンジニアの多くは日本の大学を卒業して企業に就職します。ゆえに、「大学教育」を考えるということは、今後も日本市場で「人材紹介」を手掛けるサムライズ社にとって、非常に重要なテーマであると認識しております。

シンポジウムを通して感じたことを以下の3つにまとめました。

1、日本人の優位性について

 日本は戦後、官僚テクノクラート群に経済政策の立案・実施にあたらせ、その成功をもって自らの正当性の根拠とし、奇跡的な戦後の復興を遂げました。日本は世界第二の経済大国として世界にその存在感を示しました。そして、機械工学や電気電子工学・素材などの分野は日本が世界をリードするようになり、世界最高峰の学問を修めたエリートが、ソニーやホンダ、トヨタに就職していきました。こうした優秀な大学生たちが企業に就職して、成長し、良い循環を生み出しておりました。

 しかし、2016年現在、環境は大きく変わりました。アジアのなかで絶対的な地位にあった東京大学が北京大学やシンガポール国立大学に抜かれ、世界における日本の大学の競争力が低下しています。池上彰氏がケンブリッチ大学に視察した際、日本人の学生が多く在籍していることに気づきました。彼らは、当初から日本の大学を選択肢に入れておらず、世界最高峰の環境を求めて日本を離れたようです。当然、昔は日本が特定の分野では最高峰で、最先端の学問を修めるのであれば日本の○○大学へ、という時代(例えばLEDなどは日本で国際学会が開かれておりましたが今は台湾で開かれることが多くなりました)がありました。もちろん今も特定の技術領域で世界をリードする分野あります。例えば原動機であれば長岡大や大阪府大など、今もなお原動機の分野で世界をリードしています。しかし、これもまた世界の大学との差が年々縮小しているのです。ゆえに、日本人であることの優位性はますます低下するものと考えます。

 転職市場においても、日本のエンジニアが外資系企業に転職して重宝されるケースがありましたが、現在は、「日本人の優位性」そのものが低下しています。韓国や中国・台湾はもちろん、新興国のエンジニアもかなり力をつけてきております。ゆえに、日本の大手企業も日本人の採用よりも外国人の採用に力を入れ始めています。外国人の採用比率は年々高くなってきており、近い将来、日本の大企業の社員も多種多少な人材で構成されているものと推測します。新卒採用の現場でも同様です。日系企業でも日本人よりも外国人の採用数が上回る会社も出てきております。なぜなら、国籍による採用ではなく、能力を適切に評価して採用した結果、外国人が上回ったというものです。これは非常に危機的な状況であるといえます。

2.大学の国際競争力を高める為にすべきこと。

 シンポジウムで議論された問題は次の通りです。先ず、大学の数が多すぎるという点。現在772の大学があり、希望すればほぼ誰でも大学に入れる時代です。大学の教員のレベルも低く、教育現場の質を高める為には、大学の数を減らして教育水準の質を高める、という意見が一致しておりました。しかし、現在、大学の教員の多くは専門の研究に専念する時間が取れず学生の採用など事務処理に追われています。いわゆる雑務が多いため、教育の質を高める為に必要な時間が削られているという問題があるようです。米国では学生の採用は事務局が担い教員は研究に専念できる環境にあり、同じく分業体制にした方が効率的である、という意見がありました。また、日本の大学教員の多くは、企業経験はもちろん留学経験もない方が教団に立つケースも珍しくありません。ゆえに優秀な人材を育成する為には、教員の質を高めるような改革が必要、です。興味深いのは東工大です。池上彰氏によれば、東工大では海外の優秀な先生をお招きする為の環境を整えており、年俸などの予算も特例で対応できるとの事です。これまで、海外の優秀な先生を招く上で一番のネックが「報酬」が低いことでした。この報酬の調整ができれば、優秀な先生を日本に招くことが出来るかもしれません。

 一番深刻なのは、大学教員および学生の外国人比率が3%程度という事実です。シンポジウムでは「ダイバシティ」という言葉が飛び交っていました。グローバル企業では、経営も人材もダイバシティが当たり前にもかかわらず日本の大学はガラパゴス状態が続いているのが現状です。ゆえに、日本の大学生および教員の外国人比率を高める為の施策も重要になってくるものと考えます。以上のように、日本の大学を取り巻く環境は大変厳しいものと認識しました。これら諸問題を解決する為に必要なのは「予算」です。池上彰氏によれば、海外の学長は資金調達の為に東奔西走しており、アポイントが非常にとりにくい、と仰っておりました。やはり、トップの意識が変わらなければ何も変わらないのかもしれません。私はそのような印象を持ちました。

3.大学発ベンチャーの可能性

 シンポジウムの基調講演はユーグレナの出雲氏です。出雲氏といえば、ミドリムシです。出雲氏は大学1年の夏休みにインターンでバングラディッシュに渡航しました。バングラディッシュは世界で最も貧しい国の一つで、食料自給率は100%で飢餓はないものの、栄養が炭水化物に偏り、栄養失調で多くの人が困っている現実を目の当たりにします。その後、栄養分を多く含むミドリムシの存在を知り、その研究をする為に分化系から農学部に転部しました。バングラディッシュなど栄養失調で苦しむ人々に安価で栄養分豊富なミドリムシを提供できれば世界が救える、という高い志を持ちました。その後、ミドリムシの大量培養に成功し、ユーグレナを設立。創業から2年の間は役員報酬10万円で耐え抜き、500社にミドリムシを提案するも、全てNGに。危機的な状況のなかで、ようやく501社目で伊藤忠に採用され、危機を脱出。今後は東京五輪に向けてミドリムシによるジェット燃焼の開発を目指し、「ミドリムシ」の分野で圧倒的な一番を目指しています。

 出雲氏の話のなかで、特に印象に残ったのが2つあります。1つは大学発ベンチャーの可能性についてです。例えば、遺伝子レベルの研究の場合、10年前に100億円かかった実験も現在は5万円程度で可能になっています。ある程度の資金がなければ何もできなかった時代から、現在は低コストでブレイクスルーを起こせる時代になりつつあります。もちろん分野によりますが。。例えば電気自動車の開発にしても、昔よりははるかに安いコストで自動車を開発することが可能になっています。ファブレスであれば、バルミューダのように大手に対抗できる商品開発も可能です。大企業の場合、基礎研究の多くが3年以内のアウトプットが求められます。一方、ベンチャーあるいは大学などの教育機関は3年以上の中長期的なスパンで研究しやすい環境にあります。大企業は短期的なアウトプットが求められる環境にある為、中長期の難しいテーマを追いにくい環境にありりますがベンチャーや大学はリスクを取って研究することが出来ます。むしろベンチャーや大学だからこそ難しい分野にチャレンジしリスクを取らなければいけないものと考えます。出雲氏曰く資金がない、というのは言い訳で、知恵を絞れば低コストでブレイクスルーを起こせる可能性は十分にある、ということを、強く強調しておりました。

 もう1つは、試行回数×適切な技術力>奇跡が起こせる、ということです。ミドリムシに関しても伊藤忠に採用されるまで500社に断られています。501社目でようやく採用されたのですが、適切な技術があれば、あとは試行回数の問題で誰でも必ず成功できる、というものです。

 

 以上の3点が「大学で学ぶということ」を通して感じたことです。従来、日本はアジアのなかで優位性は絶対的なものでしたが、それが崩れてきていること、その背景に大学教育の問題があることを述べてきました。おそらく、現在のままでは日本の大学は崩壊まっしぐらで国際競争に負けてしまう可能性が高いです。優秀な高校生は日本を離れ、米国や中国を目指すようになります。日本の有力な大企業も海外のエンジニアを積極採用するようになり、日本人の比率が低下します。日産のように外国人の経営者や幹部を迎える日系企業も増えるでしょう。この状況に対処する為に、大学では教員のレベルを高め、その為に資金調達を行います。企業は、日本人中心の採用を改め国籍に関係なく優秀な人材をグローバルで採用する会社が5年10年後の主役に躍り出ると思います。

サムライズ株式会社は、人材の流れを適切に見極めながら、優秀なエンジニアを今後伸びるであろう企業に紹介し、且つ衰退産業で伸び悩むエンジニアがいれば成長産業に誘導し、日本の労働市場を活性化できるよう努めてまいります。

長くなりましたが本年も宜しくお願いいたします。

 

2016年1月12日

代表取締役 荒金直宏

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